こんにちは、よしみです。
11月1日。少し前までまだ暑いと思う日があったので、冬が来ているのを忘れていました。
さすがにもう11月だもの、寒いよね。
と、朝から冬を感じたのでした。冬のにおいがします。
今日はそんな冬のはじめ、落ち葉がおちる頃の
街の樹のことについて、とても共感できることが書いてあったので
いろんな方にも読んでもらいたいなと思い、少々長い文になりますが
ここでご紹介したいと思います。
こんな考え方をみんながしていけたらいいのにと思います。
大阪の家具屋さんの本より抜粋させていただきます。
1ページ分にもなるので、載せていいのかどうか少し不安ですが、読んでいて思いが込み上げてきてしょうがなかったのでどうかお許しください。
本、とってもと~っても素敵なので、ぜひお手に取って見ていただきたいです!
熊本なら長崎書店さんで買えました♪
ホームページももちろん素敵です。
本/TRUCK nest
著者/TRUCK
>>>http://truck-furniture.co.jp/index.html街の樹、落ち葉
10月のロンドン。街なかの大きな樹がすごくきれい。黄色くなった葉っぱでいっぱい。
公園はもちろん、歩道も葉っぱが敷き詰まっていた。ブラックヒース駅近くの住宅地を歩いていると、森の中を歩いているように感じるくらい、落ち葉が歩道を覆っている。サクッサクッと葉っぱを踏む音が楽しい。靴が見えなくなるくらい。家の門柱の上がリスの食堂になっていた。食べかけのどんぐりがのっている。いたる所にリスがいる。
上を見上げると、どの樹も枝振りがきれい。のびのびしている。ほとんどが自然樹形に見える。豊かな気分になる。
歩きながら大阪のことを思い出す。以前、造園やさんから聞いた話。
秋に街路樹の葉っぱが落ちると近隣の家から苦情がくる。敷地に落ちてくる、掃除が大変、桶に溜まると。だから葉っぱが落ちる前に枝ごと切ってしまう。これから赤や黄色に色が変わって一番きれいな季節だというのに。
この話を聞いてから数年、気になっていつも見ている。夏が過ぎた頃から始まる。剪定(・・)が。剪定というと樹のことを考えて、健康を取り戻すためだったり、樹形を整えたりすること。でも、行われているのは決してそんな樹のことを考えたものではない。痛々しい。ブチブチに。ただの醜い棒になった。悲しい。多分、今年の夏は直射日光がジリジリと部屋に入るだろう。道路によっては、両側の歩道に棒がずらりと並ぶ。棒。樹とは言えない。こんな街、他の国ではあるだろうか?落葉樹があると、夏は影を作って直射を遮り、冬には葉を落とし、太陽の明るさ、暖かさが届く。
地球温暖化、エコ、節電とかを唱えるなら、なぜ樹を切ってしまうのか。年度末の予算の消化?理解ができない。
ロンドンの街。落ち葉をゴミ(・・)とは誰も考えていないのかなと思った。落ち葉を掃いている人なんて見なかった。
調査や聞き込みをしたわけではないし、勝手な想像だけどそう感じた。大阪(日本?)の人のほうがキレイ(・・・)好き?落ち葉が入ってきたら汚く思う?掃除をしたくなるのか?で、掃除が大変と苦情を言う。苦情が怖いからお役所は税金を使って樹を切る。切られた樹を見て、その人たちは「ああきれいになった」と喜んでいるのか?川がコンクリートで固められた護岸工事を見てきれいになったと言う人がいるように。僕は自然樹形の大きな樹がいっぱいある、秋には落ち葉で覆われた道や公園があるロンドンのほうがずっときれいだと思う。これって少数派なのか?
でも、日本人も紅葉の季節、いろんな紅葉の名所にはカメラを持って押しかける。
紅葉饅頭を買う、紅葉の天婦羅まである。別のものなのだろうか?家の前、近所にある、毎日見る樹とは。
もうひとつロンドンで感じたこと。
元からある樹を残すのが前提で物事が考えられているように思った。いたる所で目にした。
歩道沿いにある大きなお屋敷。歩道との境界線にある石かコンクリート製の塀。ちょうど境界線を跨ぐ位置に立っている幹周り2m以上のメープル。その樹の所だけ塀の使用が違っている。鉄の柵で、樹を上手くよけて作られている。塀を作る時、邪魔だからと切られなかった。公園のぐるり、歩道との境界に高さ50cmくらいの壁がきれいなラインで続いている。そのライン上に樹がある。壁はそこで途切れ、樹の向こうからまた続く。当たり前のように、何もなかったかのように。
前からずっと樹を切らないで残す方法で事が進められてきたんだなぁと思う。だから、あんなに都会にいて大きな樹がたくさん身近にある。羨ましい。大昔の開拓時代、森林を伐採して、畑や酪農地、街が作られたのだと思う。それは分かる。家具も木で作っている。生きて立っていた樹で。でも、現代の都市で残っている樹、生えている樹をちょっと邪魔だからと簡単に切らないで、残すことを考えればいいのにと思う。

TRUCK
TRUCKは1997年、黄瀬徳彦と唐津裕美がはじめた家具屋です。
流行に流されず、自分たちが欲しいと思う家具。
木、革、鉄など、それぞれの素材感を大切に、
奇をてらわず、長く使える家具を作っています。
家具だけでなく、そこにある空気感も大切にしたいから、
卸はせず、自分たちの目の届く範囲で販売しています。
お店に来れない人にも、その空気感を伝えるために
カタログ「TRUCK WORKS」を作りました。
ふだん生活している自宅やショップで、身の回りにあるものを使い、
スタイリングから撮影まで、ぜんぶ自分たちでやりました。
大阪の自分たちの場所。ここで作って、ここで売るスタイルを、
ずっと続けています。
*TRUCK HPより抜粋
◎誤字脱字をお許しください。よしみ